奇譚

帰路の途中桃色のナメクジと邂逅しました。

上水道に佇んでいたのですよ。全長は1.5mぐらいでしょうか。

俄かに発光しており陽が沈んだ闇夜でも目立っていました。

時折小刻みに身体を動かすのですが、殆どその場に留まっておりました。

このような人目のつく場所に居ては、悪辣な人間に何をされるか分かったものではないと私は心配だったのですが、かと言って家で飼える余裕などなく、適切な場所へ案内しようにもどのような場所がこのナメクジにとって安泰かも分からなかったので、放置してそのまま通りすぎました。その後そのナメクジがどうなったのか私には分かりません。

 

私にしか、私の歪んだ認知から生じる幻覚でしか見えなかったんですけど。