国を渉る辻風

風に煽られ、飛沫が窓を激しく打ち、水滴の痕跡を作る。

こういうのも、また、風情……だろうか。

 

今年も、台風による被害を含み、水害、土砂災害による死者が出ている。

自然とは、思いのままにならぬもの、矮小な人間など、赤子の手を捻るようにくびり殺されてしまう。

 

ある者は災害で死に、ある者は人災で死に

それまでの軌跡は唐突にとだえ、後は土の中へ埋もれて行くのみ

 

報われず、殆どは運任せ、それでも重荷を背負って前に進まなければならない理由とは

 

何なんでしょうね?

とかくこの世は生き辛い

でしたか何でしたか、夏目漱石草枕でそんなこと言ってた気がします。

 

確かに生き辛いです。しかし漱石さんにとって生きやすい世の中がやってきたら、果たして生き辛さは緩和されるのでしょうか?

 

また別の生き辛さが生まれるに違いありません。生きやすい世の中は「常識」「風潮」「公序良俗」を作り、イレギュラーを排撃するシステムを形成するのです。

虚空の砂漠

星の寿命は砂時計

一刻一刻縮んでゆきます

その日が来るまで人はどう生きるのか

その日を迎えた時どのようにして亡びるのか

あるいは亡び以外の道を見つけるのか

よく分かりませんね。地球から冥王星は見えません。